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〔仰臥位ポジションのエクササイズ〕
◎仰臥位 骨盤 回転(ぎょうがい こつばん かいてん)
仰向けに寝て足を伸ばして、骨盤を回すように、腰を捻りながら足を交差
させます。
〔効果〕骨盤の外側への突出矯正。腸骨の外開きの矯正。脊柱の回旋
可動域の拡大など。
◎仰臥位 股関節屈曲 骨盤 回転(ぎょうがい こかんせつくっきょく こつばん かいてん)
股関節を45度~90度程度屈曲して骨盤を回すように、膝を交差させます。
このとき股関節に圧迫力がかかるか、骨盤に圧迫力が加わるかによって
矯正部位が違ってきます。
〔効果〕股関節の内旋矯正。O脚の矯正。骨盤仙腸関節の内方への
矯正など。
◎仰臥位 股関節過屈曲(ぎょうがい こかんせつかくきょっく)
上向きに寝て、片方の膝を引き上げるように胸につけます。このとき
骨盤が床面から浮くように、力を加えることが必要です。
〔効果〕股関節の屈曲可動域の矯正。後方傾斜骨盤の矯正。
骨盤仙腸関節の安定化。
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〔立位ポジションのエクササイズ〕
◎腸骨 両側圧迫(ちょうこつ りょうそくあっぱく)
腸骨翼(骨盤の上側の開いた部分)を掌底(しょうてい=手の
ひらの手首よりの部分)で、中心に向かって圧迫します。この
とき、少し前方向に向けて圧迫すると、骨盤の後ろ側の詰まっ
た部分が、軽くなるのを感じることができます。腸骨翼を圧迫
している間に、腰の背伸びのような姿勢を維持して、胴回りの
筋肉の緊張状態を維持します。
〔効果〕ワイド骨盤やポステリア骨盤の矯正、一般的な骨盤の
開きの矯正。骨盤後方の重さや痛みの緩和など。
◎腸骨 捻転圧迫(ちょうこつ ねんてんあっぱく)
腰をツイストさせるように骨盤の上位部分を押さえ、背筋を伸ばす
ように周囲の筋肉を緊張させます。
〔効果〕骨盤の開きの左右差の矯正。後方への骨盤の傾きの
矯正など。
◎中腰立ち 骨盤 両側圧迫(ちゅうごしだち こつばん りょうそくあっぱく)
足幅をやや広めに開き、両膝を少し曲げて中腰の姿勢になり、
骨盤を左右からやや前下方向きに中心に向かって圧迫します。
〔効果〕骨盤の開きの左右への拡がりの矯正。後方への骨盤の
傾きの矯正や股関節とのバランスを矯正するなど。
◎骨盤 偏位 側方圧迫(こつばん へんい そくほうあっぱく)
側方から骨盤に手を当てて、中心線を反対方向にずらしていく
ように圧迫します。 このとき骨盤の上部を横から絞るように押
さえて、同時に股関節の可動範囲を広げていくように操作します。
〔効果〕骨盤と脊柱のバランスの調整、股関節の外方偏位や大転子
高位の矯正。骨盤への加重線の調整など。
◎前屈位ち 骨盤 両側圧迫(ぜんくつだち こつばん りょうそくあっぱく)
足を前後に開き、前膝を曲げて前屈立ちになり、その状態で
骨盤を両側から圧迫します。
〔効果〕股関節に角度を持たせた状態での骨盤矯正。
ポステリア骨盤の矯正など。
◎脊柱捻転 骨盤圧迫(せきちゅうねんてん こつばん あっぱく)
体幹部を後ろ向きねじりながら、反対方向へ向かって骨盤を圧迫します。
〔効果〕骨盤と脊柱のバランス調整。骨盤のねじれ偏位の矯正。
◎骨盤 前内方圧迫(こつばん ぜんないほう あっぱく)
片足を前に出して、出したほうの肩を後ろに引きながら、骨盤を前内方に
向かって圧迫します。
〔効果〕骨盤の仙腸関節の引き締め。脊柱下部(腰椎)の前方への矯正。
◎腸骨 後内方圧迫(ちょうこつ こうないほう あっぱく)
片足を前に出して、出したほうの腸骨後内方に圧迫しながら重心を正中線
に合わせる。
〔効果〕骨盤の前方への傾き矯正。腸骨の外開きの矯正。
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『骨盤のゆがみを矯正する方法』としては、色々な方法がありますが、ここでは、
セルフメンテナンスの方法として、『加圧アイソメトリック法』をご紹介しています。
『加圧アイソメトリック法』とは、関節や筋肉に無理のない範囲での負荷を与え、
その状態をホールドしたまま(保ったまま)、骨格、筋肉、姿勢などにある程度の
強制方向への圧迫力を加える事で、筋肉のバランスや、関節の可動域を改善
し、姿勢や体型の補正に効果を期待できるメンテナンス方法です。筋肉を収縮
させる際にアイソメトリック(等尺性収縮運動)として、関節の動きをできるだけ行
わずに、緊張感のみを感じるように行います。各運動とも、5秒から10秒程度の
緊張感の持続を持つように静止動作を維持し、それを一定期間繰り返すことで
体の各部に良い姿勢や体型を記憶させ、それを習慣づけすることで矯正効果を
定着させます。
加圧の方法としては、両手でポイントとなる場所を圧迫したり、体のねじりや筋肉
・関節の作用を活用して行いますが、補助具として骨盤ベルトや、骨盤バンドなど
を利用して行う場合もあります。この方法は、関節や筋肉への変化を与えやすく、
その負荷時間や筋緊張の程度により、筋肉の引き締めを目的とすることもできる
し、筋肉量のアップ、骨盤の矯正などの体型補正にも効果的な方法です。
骨盤のゆがみに個人差があるように、、矯正効果にも個人差があります。しかし、
無理をせず、気持ちよく感じる範囲で継続的に行うことで、少しずつ改善されます
ので、少しずつ体の変化を感じ取りながら、無理なく楽しく始めてみてください。
ご紹介する動きの中で、動作がやりにくいと感じる場合は、その動きに対する筋肉
の質や量が低下または不足している場合や、関節が硬くなって可動性が減少して
いる場合もあります。無理をせず徐々に行ってください。
〔基本的なやり方〕
ご紹介するエクササイズを、5秒から10秒間、呼吸を止めずに行います。姿勢を
維持したまま、関連する筋肉や関節に対する緊張感を感じるようにします。また、
圧迫を緩めたときのリラックス感を感じるようにしててみて下さい。使った関節の柔
軟性がアップしたり、姿勢の変化、体型の補正効果などが確認できれば、うまく行
われています。
では次回に、比較的理解と実践がしやすいものを画像を入れていくつかご紹介します。
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今回から、『骨盤のゆがみの改善方法』 を解説します。第1回目は、『骨盤の知識』 をテーマにして解説します。
骨盤のゆがみの改善方法としては、セルフメンテナンスとして自分で行うものと、専門
家の施術によるものとがあります。今回ご紹介するのは、自分自身で行う『骨盤矯正
の加圧アイソメトリック法』をご紹介します。まずそれに先立ち、骨盤について簡単な
ご説明を致します。(画像をクリックすると大きくなります。)
まず、骨盤をいろいろな方向から見てみます。
前方から | 前方斜め上から | 斜め上から | 上から |
後方から | 後方斜め上から | 後方斜め下から | 下から |
骨盤は、左右の寛骨(前から見たときに左右の耳の様な形の部分)と、後方中央にある
仙骨(後ろから見たときに真ん中にある象の顔のような形の部分)、尾骨(仙骨の下の
象の鼻のような形の部分)で構成されています。
左右の寛骨は、前方で恥骨結合(ちこつけつごう=正面中央の骨の連結部分)と、後方
で左右2つの仙腸関節(せんちょうかんせつ=仙骨と寛骨の骨の連結部分)でつながっ
て、中央に空洞のある円柱形の写真のような形状をしています。通常の恥骨結合は可
動性がなく、仙腸関節も、ほとんど動かない関節ですが、女性の場合、妊娠や出産など
のときにホルモンの影響でゆるみをもつようになっており、その戻りが不完全であった場
合などに、骨盤のゆがみの原因となることがあります。また骨盤のゆがみは、O脚やX脚、
脊柱の湾曲など、他の関節や骨格への影響や、筋肉のアンバランスにもつながり、また
内臓の色々な病的症状に関連する場合もありますので、気をつけなければなりません。
では次に、からだに対しての骨盤の位置関係を見てみます。
前方から
後方から
横方向から
横方向から
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今回は、いろいろな『からだのゆがみ』について を解説します。
まず、いくつかの症例モデルを写真で見てください。
注)今回のご紹介は、特別な病気(小児麻痺など)や大きな骨折の後遺症
として発生しているものではなく、日常的な生活の中での負荷や、姿勢
の継続から起こったものを対象としています。
傾斜骨盤 |
脊柱S字湾曲 |
脊柱側湾 |
脊柱捻転 |
|
|||
複合偏位型骨盤 |
アンバランスショルダー |
インサイドショルダー |
ルーズショルダー |
X脚 |
O脚 |
内旋脚 |
外旋脚 |
それでは簡単に解説していきます。
《脊柱に関係するもの》
◎脊柱前湾(せきちゅうぜんわん) A 〔上位湾曲〕
胸の高さぐらいで前屈するように曲がっており、肩が前方に偏位する傾向が強く、
腰が後ろに反り気味になっています。細身で身長が高めの若い女性に多いです。
◎脊柱前湾(せきちゅうぜんわん) B 〔下位湾曲〕
みぞおち(胃の高さ)を中心に、背中が丸くなるように前屈して、それとバランス
をとるように、肩幅が狭くなり、少し腕が前よりに位置しています。年配の骨粗鬆
傾向の女性に多いです。
◎脊柱側湾(せきちゅうそくわん)
背骨の中央あたりで体が横に曲がり、背中左右の筋肉の大きさと硬さの違いが
著明にあり、立位で体前屈させると、背中の盛り上がりの差が顕著となります。
首は、背中の屈曲と反対側に緊張が出やすくなります。
◎脊柱後湾(せきちゅうこうわん)
単独であらわれるよりも、脊柱の前湾や側湾の合併として出現することが多く、
背中の筋肉に老化や減少が見られる高齢者などに多いようです。頭部はやや
前屈し、手は体の後ろ側に位置してバランスをとります。
◎脊柱S字湾曲(せきちゅうえすじわんきょく)
脊柱の側湾や前湾が、2箇所以上で反対方向への屈曲を示すものです。背骨
のある一箇所での屈曲に対して、頭部を水平に保つため、背骨が別の箇所で
反体側の屈曲を示したものです。
◎脊柱捻転(せきちゅうねんてん)
背骨を軸に体がねじれた状態になっているもので、特定な方向に対して体を動
かすことの多いスポーツ選手(ゴルファー、野球選手など)や、同一方向への体
の回旋を反復する作業者に多くみられます。
◎フラット腰椎
通常、腰痛は横から見たときに、ヘソの方を頂点とするカーブを持っています。
しかしこのカーブが減少して真っ直ぐな形態をとるものをいいます。長時間の
運転継続や、腰を丸めてあぐらをかく姿勢などの人に起こりやすいです。本来
の腰椎のカーブが少ないため神経の通る為の隙間が狭くなり、腰痛や坐骨神
経痛などを起こしやすくなります。
《肩、上肢に関係するもの》
◎アンバランスショルダー(あんばらんすしょるだー)
左右の肩の高さが水平ではなく、差があるもので、背骨のゆがみや肩、胸など
の筋量の差、また腰の不安定な状態の結果としても見られます。スポーツ選手
の場合の左右差は、ほぼ全員に見られるもので、筋力の左右差が主たる原因
であり、多くの場合問題はありません。一般の人の場合は、習慣的な姿勢が
原因となるものが多いです。
◎インサイドショルダー(いんさいどしょるだー)
運動不足な女性に多く見られる症状で、胸部と背部の筋肉にアンバランスな強
さがある場合にみられます。特に出産後の女性などで、赤ちゃんを抱っこする
ような、胸前での過重負荷が急激に増えて、同時に運動不足にもなっているよ
うな人に、顕著に認められます。
◎ルーズショルダー(るーずしょるだー)
肩の関節そのものに、ゆるみが生じて関節と受けのアライメント(位置関係)に
不適合が生じ、関節の隙間が広がったために、肩の丸みが扁平化、または肩
の丸みが凹んだように見える場合もあります。関節を構成している筋肉のアン
バランスや不良が主な原因となります。
◎なで肩 ・ いかり肩(なでがた ・ いかりがた)
鎖骨の外側方向への角度が、上方にあがり傾向をしめすものを『いかり肩』と
いい、首から肩先(肩峰端)にかけてのスロープが、水平か上方に盛り上がり
ます。また、下方へのさがり傾向を示すものを『なで肩』といい、肩の部分の丸
みを作る三角筋の筋量や骨格の形状により、肩先へ下りのなだらかなカーブ
を描いています。
《骨盤に関係するもの》
◎傾斜骨盤(けいしゃこつばん)
骨盤の左右が同じ高さではなく、水平位に対して傾きを持っているものです。
股関節や膝関節などの不適合や、筋量の著しい差、長時間の偏った姿勢で
の作業継続などが原因となります。
◎捻転骨盤(ねんてんこつばん)
特殊な作業の継続や、反復的な運動負荷などが原因となって骨盤にねじれ
た力が加わった為に起こるもので、脊柱の湾曲や、ねじれにも大きく関係す
るものです。
◎ワイド骨盤(わいどこつばん)
骨盤の上側が拡がりを持つもので、妊婦さんの骨盤や、肥満傾向にある方の
骨盤などがこれにあたります。この骨盤の形状が大きいと、腰周りや下半身
を太くする原因にもなります。
◎ポステリア骨盤(ぽすてりあこつばん)
骨盤が後方に下がるように傾いた骨盤で、30週以上を経過した妊婦さん腰を丸
めた状態で座る人などに多く見られます。静脈やリンパの流れが停滞しやすく、
慢性的な腰のだるさや、下肢のたるみ・むくみの原因となります。
◎複合偏位型骨盤(ふくごうへんいがたこつばん)
上記のような傾きやゆがみを、2つ以上併せ持つものです。たとえば、妊婦さん
の場合、上記のワイド骨盤とポステリア骨盤を併せ持つことで、胎児を安定して
支えるためめの『ゆりかご骨盤』を形成します。
◇骨盤のゆがみは、比較的女性に多いようですが、これは同時に骨盤内臓の偏位
(子宮後屈など)、生理痛、ホルモンのバランス不調などにも影響があるようです。
《下肢に関係するもの》
◎大転子高位(だいてんしこうい)
股関節部で大腿骨が上方に変位しているもので、骨盤や脊柱のゆがみにも影
響します。歩行や開脚などに支障や制限が見られる場合があります。腰痛の
原因にもなります。股関節部の中殿筋(ちゅうでんきん)や梨状筋(りじょうきん)
の緩みや硬化が原因となります。
◎X脚(えっくすきゃく)
両膝の隙間が狭くなり、下腿部がやや外側に傾いているもので、女性に多く
見られます。骨盤が前に傾きを持ちやすい場合、特に出現しやすくなります。
◎O脚(おおきゃく)
両膝間の隙間が広く、下腿骨が外側に湾曲して見えるものです。高齢者に見
られるものは、変形性の関節症から来るものが多く、若い女性に見られるもの
は、骨盤の広がりやゆがみ、また大腿部の筋肉が、内と外でバランスが不良
の場合に起こります。
◎内旋脚(ないせんきゃく)
下腿軸が内側に回旋しているもので、主に股関節の内旋と外旋の筋肉の状態
や、大腿骨の内旋が原因となります。歩行、運動などはできますが、つまづき
やすかったり、走るスピードが出にくいなどの場合があります。
◎外旋脚(がいせんきゃく)
一般に『外股(そとまた)』といわれるもので、大腿骨の外旋や骨盤の開き、後ろ
傾斜などが原因となります。最近では女性にも多く、特に経産婦の方で出産後
の骨盤のゆるみが残っている場合に現れやすいです。
今回は,、いろいろな『からだのゆがみ』についてご紹介しました。上記で説明したもの
がすべてではありませんが、比較的良く見るケースを掲載しました。説明でも触れま
したが、それぞれが必ずしも単独で起こっているのではなく、複合的にいくつかが組み
合わさって現れているケースも多くあります。むしろ、単独で起こっていることの方が
少ないぐらいです。
次回からは、『骨盤のゆがみの改善方法』 をテーマにして解説したいと思います。
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